これまでの仕事をどう伝えるかが、すべての土台になります
建設業許可の準備というと、「書類が足りないかもしれない」「昔のことを聞かれても困る」そんな不安を感じる方が少なくありません。
でも、実は最初にやるべきことは、書類集めではありません。
はじめに
建設業許可の準備を始めたとき、多くの方が最初につまずくのが、
「どんな書類を出せばいいのかわからない」という点です。
特に、個人事業主や小さな会社の場合、
- 昔の書類がきれいに残っていない
- 全部そろっていない気がする
と、不安になる方も少なくありません。
でも、安心してください。
建設業許可で大切なのは、完璧な書類を並べることではありません。
これまでどんな仕事をしてきたかを、自分の言葉と資料で説明できることが何より重要です。
なぜ「これまでの仕事」を証明する必要があるの?
建設業許可では、
• 本当に建設業を続けてきたか
• 経営や実務の経験があるか
といった点が確認されます。
その判断材料になるのが、過去の工事内容を裏付ける資料です。
これは単なる形式的なチェックではなく、「現場で実際に仕事をしてきた人かどうか」を見極めるためのものです。
特に、経営業務の管理責任者や専任技術者の経験を証明するうえで、これらの資料はとても重要な役割を果たします。
代表的な証明書類の例
① 工事の見積書・契約書・注文書・請書
次のような内容が確認できる書類です
- 工事名
- 工事内容
- 契約金額
- 契約日
- 工期
書面として残っていれば、工事内容や契約関係を説明しやすく、非常に分かりやすい資料になります。
② 請求書・領収書
請求書からは、
- 誰に
- どんな工事を
- いくらで請求したか
が分かります。
契約書が残っていない場合でも、請求書が工事実績の証明として使えるケースは少なくありません。
ただし注意点があります。
日給や人工計算による請求の場合、「現場作業を行った事実」は確認できても、建設業として請け負った工事と判断されないこともあります。
そのため、請負工事であることが分かる内容かどうかがポイントになります。
③ 入金が分かる通帳
通帳は、
- 実際に報酬を受け取っているか
- 事業として継続しているか
を確認するための資料です。
コピーで問題ありません。
ここで大切なのは、請求書とのつながりです。
請求金額と入金額に大きな差がある場合は、「なぜ差が出ているのか」を説明できるようにしておく必要があります。
④ 確定申告書(事業収入が分かるもの)
確定申告書は、
- 建設業として収入を得ていたか
- どのくらいの期間、事業を行っていたか
を示す、とても重要な資料です。
個人事業主の場合は、申告書Bで、収入が「給与」ではなく事業収入として計上されていることがポイントになります。
「全部そろっていないとダメ?」という不安について
よくいただく質問です。
結論から言うと、必ずしも全部そろっている必要はありません。
• どんな工事を
• どのくらいの期間
• どんな立場で行ってきたか
足りない部分があっても、他の書類や状況説明で補えることは少なくありません。
書類を集める前に、まずやってほしいこと
いきなり書類探しを始める前に、次のことを整理してみてください。
- どんな工事をしてきたか
- 誰から仕事を受けていたか
- どの期間、建設業を続けてきたか
この整理ができると、「この工事にはこの書類が使えそうだな」と、自然に見えてきます。
今回ご紹介した過去の工事内容を裏付ける資料は、経営業務の管理責任者や専任技術者の実績を説明するための大切な土台になります。
工事実績チェックシートで確認
ここまでの内容を整理するために、「工事実績整理チェックシート」をご用意しました。
- 書類がそろっていない方
- どの工事が使えるかわからない方
- これから準備を始めたい方
まずは、今までの仕事を書き出してみてください。
このシートは、「申請のために完璧に書く」ものではありません。
まずは、これまでの仕事を思い出し、整理するため に使ってみてください。
書いてみると、
• 「これはどう書けばいいんだろう」
• 「この工事は使えるのかな?」
• 「そもそも、どこまで必要なんだろう」
そんな疑問が出てくる方も多いと思います。
そうした疑問は、一人で悩むより、一度整理しながら話してみる方が、ずっと早く進みます。
私は、書類を集める前の「整理の段階」から一緒に考えることを大切にしています。
まとめ
これまでの仕事を証明する書類は、完璧にそろっていることよりも、これまでの仕事を、きちんと説明できることが何より大切です。
「これは使えるのかな?」
「少し足りない気がする…」
そんなときは、一人で悩まず、まずは状況を整理するところから始めてみてください。
無理に申請を勧めることはありません。
「今はまだ準備段階かも」
「数年後を見据えて整理したい」
そんなご相談でも大丈夫です

