「一人親方はやめとけ」
そんな言葉を聞いて、不安になっていませんか?
知らないまま一人親方になると、後悔する可能性もあるため注意が必要です。
実際に現場では、
- 思ったより稼げない
- 仕事が安定しない
- すべて自己責任になる
といった理由から、後悔する人も少なくありません。
しかし一方で、
- 一人親方として長く安定して活躍している人
- 一人親方から法人化して事業を大きくしている人
がいるのも事実です。
では、この違いは何なのでしょうか?
この記事では、現場経験をもとに「やめとけ」と言われる理由と、それでも成功する人の違いをわかりやすく解説します。
一人親方はやめとけと言われる7つの理由
ここでは、一人親方は「やめとけ」と言われる理由を、現場目線で解説します。
① 仕事が安定しない
建設業はどうしても波があります。
繁忙期は仕事が重なりますが、逆に仕事がない時期も必ずあります。
また、
- 元請の都合で工期がずれる
- 独立直後は仕事が回ってこない
- 職人同士のつながりがないと応援し合えない
といった現実もあります。
そのため、複数の元請けとの関係を持つことが重要になります。
② 収入が不安定
仕事が安定しなければ、当然収入も不安定になります。
さらに、
- 国民健康保険・年金は全額自己負担
- ガソリン代・道具代・高速代も自己負担
- 忙しくても経費が増えて手元に残らない
といった問題もあります。
単価を上げるのも簡単ではありません。
安定させるためには、単価だけでなく継続的な仕事の確保が重要です。
③ すべて自己責任
一人親方は「経営者」。
- 現場の責任
- お金の管理
- 書類や手続き
すべて自分で背負います。
苦しい時も、最終的に解決するのは自分です。
そして何より、家族を守る責任もあります。
この意識があるかどうかで、一人親方としての結果は大きく変わります。
④ 社会保険・年金の負担
会社員時代は会社がやってくれていたことを、すべて自分でやる必要があります。
- 国民健康保険
- 国民年金
- 家族分の負担
さらに、会社員の社会保険と比べると保障面は弱くなります。
⑤ 営業・事務も全部自分
一人親方は「職人」であり「経営者」です。
- 見積書の作成
- 原価管理
- 経費管理
- 書類作成・申請
これらすべて自分で行います。
現場以上に、この事務作業が大きな負担になることもあります。
⑥ 技術だけでは仕事は取れない
「腕が良ければ仕事が来る」
これは半分正解で、半分間違いです。
実際には、
- 挨拶
- 整理整頓
- コミュニケーション
- 人間性
これらすべてが評価されます。
さらに、
- 新しい技術
- 新しい材料
- 法改正
学び続ける姿勢も必要です。
⑦ 孤独になりやすい
最終判断はすべて自分。
誰かに相談できても、決めるのは自分です。
この責任の重さから、孤独を感じることもあります。
それでも一人親方で成功する人の特徴
では、うまくいく人は何が違うのでしょうか?
- 人間関係を大切にする
- また呼ばれる仕事をする
- 小さな仕事を大事にする
- 継続して学ぶ
- 仕事をもらうだけでなく取りに行く
一人親方の仕事の取り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
やめた方がいい人・向いている人
一人親方には、向いている人と向いていない人がいます。
それは決して良い・悪いではなく、それぞれの特性の違いです。
場合によっては、信頼できる親方のもとで右腕として働くという選択も、とても価値のある働き方です。
向いていない人
- 指示がないと動けない
- 安定を最優先にしたい
- 自分で考えるのが苦手
向いている人
- 自分で考えて行動できる
- 人との関係を大切にできる
- 長期目線で物事を考えられる
後悔しないための対策
一人親方は、ただ独立すればうまくいく働き方ではありません。
事前の準備や考え方によって、その後の結果は大きく変わります。
ここでは、後悔しないために大切なポイントを、現場目線でお伝えします。
① 法令遵守を理解する
知らずにやってしまうと危険なのが
👉 偽装一人親方の問題です
働き方によっては違法と判断される可能性もあります。
② 税金・保険の理解
- 税金
- 社会保険
- 労災
これらは必ず理解しておく必要があります。
③ 仕事の取り方を学ぶ
一人親方は、 「待つ」ではなく「取りに行く」
意識が必要です。
それでも挑戦する価値はある
ここまで読むと、「やっぱりやめた方がいいのかな」と思う方もいるかもしれません。
しかし私は、それでも一人親方という働き方には価値があると考えています。
自分の責任で仕事をし、自分の力で道を切り開く。
これは簡単ではありませんが、その分やりがいも大きい働き方です。
まとめ|一人親方は「職人」であり「経営者」
今回の記事を最後まで読んだ方で、「こんなに全部できる人はいないよ」と思う方もおられるでしょう。
しかし一人親方は、作業をするだけでなく「経営者」という立場でもあります。
継続して仕事を受注することは、とても大切であり、同時に難しいことです。
一度仕事をいただいたお客様との関係を大切にせず、新しい仕事ばかりを狙うのは何倍も難しいと感じます。
一人のお施主様の喜ぶ顔を思い浮かべながら、元請会社や仲間と力を合わせて一つの物件を完成させる。
これは建設業ならではの大きな喜びです。
自分の利益だけでなく、仲間と一緒に仕事をする喜びを大切にする。
その姿勢を続けていけば、必ず次の仕事につながると私は信じています。

ながつき行政書士事務所
江郷 晴彦
えごう はるひこ
広島県江田島市の行政書士事務所。 建設業許可や一人親方の手続き、建設業の経営サポートを中心に対応しています。 建設業許可や一人親方の手続きに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

