はじめに
建設業許可を取得しようと考えたとき、多くの方が見落としがちなのが「請求書の内容」です。
実は請求書は、単なるお金のやり取りの書類ではありません。
経歴証明・実務経験の証明として使われる重要な資料です。
この記事では
- 建設業許可に対応した請求書の書き方
- 出来高請求の考え方
- 実際に使えるテンプレート
を、現場目線でわかりやすく解説します。
建設業許可に必要な請求書とは?
その請求書の書き方では、建設業許可が取れない可能性があります。
建設業許可の申請では、以下のような証明が求められます。
- 経営管理責任者の経験
- 専任技術者の実務経験
その裏付けとして使われるのが、請求書+入金記録(通帳など)
つまり、「ちゃんとした工事を請け負っていた証明」になります。
【重要】請求書は工事ごとに作成する
建設業の請求書は、 工事単位で作成するのが基本です
- 1ヶ月で2現場 → 請求書は2枚
- 「まとめて1枚」はNG
どの工事をやったのか証明できなくなるため
出来高請求とは?(建設業の基本)
建設業の請求方法には2つあります。
① 人工計算(時間・人数)
- 人数 × 日当
- 一人親方に多い
これは、建設業許可の証明としては弱い
② 出来高請求(契約ベース)
- 契約金額 × 進捗%
- 完成度に応じて請求
これが建設業許可に必要な請求方法です
実際の請求書のイメージ
今回の作成例はこちら

請求書の例
- 契約金額が明確
- 出来高%が分かる
- 累計・残高が見える
請求と同時に、工事の進捗管理もできる形式です
請求書の必須記載事項
以下は必ず記載しましょう
✔ 基本情報
- 発行日
- 宛名(会社名)
- 請求者(自社名)
- 工事名
✔ 金額・内容
- 請求金額
- 内訳(できるだけ具体的に)
- 出来高
✔ その他
- インボイス登録番号
- 振込先
- 支払期限
【超重要】請求内容は具体的に書く
〇〇市△△邸 内装仕上工事(床張り・クロス貼り)
内装工事一式
どの業種の工事か分かること、これが許可取得に直結します
工期は必ず記載する
請求書には必ず、施工した工期を記載してください。
4月1日〜4月20日
実際に作業していた証明になるため
材料費と労務費は分ける
特に重要
- 材料費
- 労務費
分けることで、請負工事であることが明確になる
【注意】500万円ルール(知らないと危険です)
建設業許可を取得していない場合、500万円以上の請負工事はできません。
これは法律で決まっているルールです。
✔ ここでよくある勘違い
- 「手間賃だけならOKでしょ」
- 「材料は別だから大丈夫」
実はこれ、ほとんどの場合NGです
✔ 判断基準は「契約金額」
- 材料費込み
- 労務費込み
合計で500万円を超えるかどうか
【実際にある話】
- 材料込みで600万円の工事を受注
- 本人は「実質手間は200万円くらい」と認識
しかし、契約は600万円
→ 無許可工事扱いになる可能性あり
【さらに怖いポイント】
もしトラブルや事故が起きた場合
- 元請から契約違反を指摘される
- 行政から指導が入る可能性
- 信用を一気に失う
仕事が止まるリスクもあります
✔ 対策
- 契約金額を必ず確認
- 請求書にも明確に記載
- 不安な場合は早めに許可取得
特に材料込みの工事は、簡単に500万円を超えるため要注意です
インボイス登録はした方がいい?
した方が有利
- 元請が喜ぶ
- 仕事がもらいやすい
- 消費税の調整ができる
請求書と通帳は必ず保管する
重要度MAX
5〜10年遡って証明に使うため
- 請求書
- 通帳
セットで保管
元請指定の請求書でも注意
よくあるケース
「このフォーマットで出してください」
でも、許可を取るなら内容を意識することが重要
請求書は「経営の道具」
ここが一番伝えたい
請求書は、お金をもらう紙ではなく、経営管理ツール
- 売上管理
- 工事管理
- 証明資料
全てにつながります
テンプレート無料ダウンロード
今回紹介した請求書は
- 一般請求書としても使える
- 出来高管理もできる
ハイブリッド型のテンプレートです
下段の出来高管理部分は、印刷範囲外にすれば通常の請求書としても使えます
👉建設業許可の請求書テンプレート(Excel)を無料でダウンロードできます。
※個人利用は無料です
※自己責任でご使用ください
使い方がわからない場合や、自社に合った形にしたい場合は、お気軽にご相談ください。
御社のやり方に合わせた請求書を作成します。
まとめ
建設業の請求書は、単なる事務作業ではありません。
経営そのものです
どれだけ良い仕事をしていても、請求内容が曖昧であれば
- お金のズレが発生する
- 元請との信頼が崩れる
- 次の仕事につながらない
さらに重要なのは、その請求書が、将来の「証明資料」になることです。
建設業許可の取得では
- 5年〜10年分の実績
- 実際に工事をしていた証拠
これが求められます
つまり、今、何気なく作っている請求書が将来の仕事を左右する
だからこそ
- 工事ごとに整理する
- 内容を具体的に記載する
- 出来高を正確に管理する
この積み重ねが、安定した経営と建設業許可取得につながります
そしてもう一つ、請求書を整えることは、「ちゃんとしている会社」になること
それは
- 信頼される
- 仕事が増える
- 単価が上がる
すべてにつながります
- 請求書を軽く考えるか
- しっかり整えるか
この差が、数年後の経営の差になります。
ご相談について
御社に合った請求書のExcelフォーマットを個別に作成することも可能です。
- 元請とのやり取りに合わせたい
- 許可取得に対応したい
- 管理をラクにしたい
お気軽にご相談ください

ながつき行政書士事務所
江郷 晴彦
えごう はるひこ
広島県江田島市の行政書士事務所。 建設業許可や一人親方の手続き、建設業の経営サポートを中心に対応しています。 建設業許可や一人親方の手続きに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

