はじめに
建設業で30年以上働いてくると、それなりの経験も知識も身についてきます。
- 現場のことは分かる
- 人脈もある
- 後輩にも教えられる
だからこそ、
「もう独立してもやっていけるのではないか」
と考える人も少なくありません。
しかし実際には、独立して思うようにいかず、数年で諦めてしまう人もいます。
私は50代で会社を退職し、その後さまざまな経験をしてきました。
成功したこともありますが、失敗や遠回りもたくさん経験しました。
だからこそ、これから独立を考える人には同じ失敗をしてほしくありません。
今回は、建設業で独立して失敗する人の共通点についてお話しします。
会社が嫌だから独立は危険
独立を考えるきっかけとして、
- 上司が嫌だ
- 給料が安い
- 評価されない
- やりがいを感じない
という不満を持つことは珍しくありません。
私も会社員時代には同じような気持ちになったことがあります。
しかし、
「今の会社が嫌だから辞める」
という理由だけで独立すると苦しくなります。
なぜなら独立後に最初に助けてくれる可能性が高いのは、今まで関わってきた人たちだからです。
- 会社
- 取引先
- 協力業者
- 先輩や後輩
その人たちとの関係を切り捨てることは、自分の将来の可能性を狭めることにもなります。
独立を考えるなら、今の会社や人間関係に感謝しながら準備を進めることが大切です。
準備不足で独立すると苦しい
「経験もあるし、人脈もあるから何とかなるだろう」そう思って独立する人は少なくありません。
最初の1〜2年は勢いで何とかなるかもしれません。
しかし5年、10年と続けていくには準備が必要です。
まずは家族と話し合う
独立は自分一人の問題ではありません。
家族からは、
- 収入は安定するの?
- 住宅ローンはどうするの?
- 病気になったら?
- 年金や保険は?
といった不安が出てきます。
当然のことです。
だからこそ家族と十分に話し合うことが大切です。
ミッションとビジョンを考える
私は独立する人にとって、ミッションとビジョンはとても大切だと思っています。
ミッションは、「何のために働くのか」
ビジョンは、「それをどんな形で実現するのか」
です。
最初から完璧である必要はありません。
私自身も今なお見直しています。
ただ、自分の軸がある人は苦しい時にも踏ん張れます。
小さく行動を始める
準備ばかりしていても前には進みません。
- 本を読む
- セミナーに行く
- 独立した人に話を聞く
- 資格の勉強を始める
そんな小さな一歩から始めれば良いのです。
技術だけでは仕事は来ない
会社員時代は、
- 会社の看板
- 会社の信用
- 会社の実績
に守られています。
しかし独立すると、その看板はなくなります。
『技術があれば仕事が来る』
そう思いたい気持ちは分かります。
しかし現実は違います。
仕事を依頼する人が見ているのは、
- 人柄
- 誠実さ
- 信頼
- コミュニケーション
です。
私は技術以上に、人間関係を大切にできる人が長く続くと感じています。
お金・営業・人間関係の現実
独立すると誰も仕事を持ってきてくれません。
自分で考え、自分で動き、自分で営業しなければなりません。
とは言っても、営業が得意な人ばかりではありません。
私も決して営業が得意ではありませんでした。
だからこそ、
- まずは人に会う
- 話を聞くこと
- 相手が何に困っているのかを知る
これが営業の第一歩だと思います。
人とのつながりを大切にしている人には、少しずつ応援してくれる人が現れます。
独立前にやるべき準備
独立前に最低限やっておきたいことがあります。
- 家族の理解を得る
- 生活費を見直す
- 1〜2年分の資金を準備する
- 人脈を広げる
- 専門性を磨く
- 自分の強みを整理する
これらを会社員のうちから進めておくだけで、独立後の不安は大きく減ります。
“逃げる独立”ではなく“目指す独立”へ
私は独立そのものには賛成です。
しかし、
- 会社が嫌だから
- 上司が嫌だから
- 評価されないから
という理由だけで独立することには賛成できません。
一方で、
- 自分には無理だ
- 経営なんてできない
そんな人もたくさん見てきました。
でも私は思うのです。
- 真面目で
- 素直で
- 人に優しく
- 健康に気を配り
- コツコツ努力できる人
そんな人こそ独立に向いているのではないでしょうか。
独立とは、大きな会社を作ることではありません。
- 自分らしく働き、
- 誰かの役に立ち、
- 人生後半を楽しく生きること。
私はそんな「目指す独立」を応援したいと思っています。
まとめ
建設業で独立して失敗する人の多くは、準備不足のまま勢いだけで動いてしまいます。
しかし、独立そのものが悪いわけではありません。
大切なのは、逃げるための独立ではなく、目標に向かうための独立を選ぶことです。
50代だから遅いのではありません。
30年以上積み上げてきた経験や人脈は大きな財産です。
その財産を活かしながら、自分らしい第二の人生を考えてみませんか。

ながつき行政書士事務所
江郷 晴彦
えごう はるひこ
広島県江田島市の行政書士事務所。 建設業許可や一人親方の手続き、建設業の経営サポートを中心に対応しています。 建設業許可や一人親方の手続きに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

